こんなにも、いそがない企画122005/11/06 23:57

「誰もいそがない町」(ポプラ社)という本の出版に至る、あまりにもいそがない物語を書きおこしている。

(続き)
「いいですね! 会いに行きましょう」
実は、嫌がるんじゃないかと心配していたのだが、編集者は乗ってくれた。
さっそく、先方に連絡をとってもらい、ぼくとO氏とでカフェ・チェーンの広報担当者に会いにいくことになった。

当日、有名なカフェ・チェーンの本社に、O氏はわざわざプレゼン資料を作ってやってきた。うかつな話だが、ぼくはそこまでやってくれるとは思っていなかった。ただ、原稿を見せて「一緒にやりませんか?」というような話をすればいいと考えていただけだ。そういうところが、しょせんは世間知らずの作家だ。
出版社の名刺を持って行く人間としては、そんな簡単なわけにはいかない。キチンとコラボの企画提案趣旨を書いた企画書を作り、O氏はぼくの隣でプレゼンを始めたのだ。

こんな経験は、はじめてだった。
(そうか。ビジネスとは、こういうものなんだな)
感心すると共に、
(資料作りで迷惑をかけてしまった)
と申し訳なく思った。さらに、
(ぼくなんかのためにここまでしてもらって、ありがたい)
と感謝の気持ちでいっぱいになった。

はたして、そのプレゼンの結果……
(続く)