これはみんな、きみの話22011/07/30 13:32

「誰もいそがない町」についての、思わぬ反応を記している。

出版から3年ばかりたった頃。いつもお世話になっている税理士の先生のお宅にうかがった。その時、お茶を出してくれた奥様が突然、「この前、藤井さんの本、買ったわよ」とおっしゃったのだ。
「え、どの本ですか?」
「私、エレベーターのお話が好き」
あの本の冒頭に収められた「エレベーターが来ないわけ」のことだ。

税理士の先生はぼくよりずっと年上。当然、奥様もそうだ。
もちろんあの本の中の「エレベーターの話」が若い女性に好評なのは知っていた。が、失礼ながらこんな年配の方も同じ反応なのに、驚き、そして嬉しかった。
(あぁ。やっぱり、いくつになっても女性なんだなあ…)
なんて感心したのを覚えている。

これはみんな、きみの話12011/07/29 16:40

ずいぶん久しぶりに、この連載を再開する。「誰もいそがない町」という本のことだ。2005年にポプラ社から出版された。
これまでの経緯を、このブログを遡って読んでもらえばわかるが、長い助走期間を経ての出版だ。そしてついに大ヒット……となればドラマチックなのだが、現実はそう甘くなかった。

しかしそれでも、この本を愛する人があちこちにいて、その後もずっと忘れないでいてくれることを、のちに知る。断片的だが、いくつか記しておこう。

ケータイ・サイトの女性編集者が、「あの本みたいなショートストーリーを連載しませんか?」と声をかけてくれた。そこで、まだ本にしていない話と、新作を交えながら連載した。それが「YUBIO」というケータイサイト。ここで50本ばかり連載した。

ケータイ連載だと、読者の反応はすぐにメールで返ってくる。見せてもらうと、
「普段は本なんて読まないけど、ケータイだから読んでみました。面白かった」
というものが多かった。中に、「精神的に辛い状況だったけど、死ぬのはやめようと思った」という内容のメールが一通あって、驚いた。ぼくの書いたものが、たった一人でも誰かの命を救ったのなら、作者冥利につきる。
「ああ、こういう人たちに届けば、ぼくのショートストーリーは受け入れられるんだ」
と思った。
だが残念ながら、こういう人たちはふだん本を読まない。書店にも行かない。行ったとしても、膨大な本の山の中からこの小さな一冊を探し出すのは困難だろう。

タイトル決定2011/05/19 10:27

「誰もいそがない町」からを中心にしたショートストーリー集の電子書籍。タイトルが決まりました。

「これはみんな、きみの話」

実は、最初、あの本の出版にあたって僕が考えていたタイトルがこれでした。いろんな方からのアドバイスで「誰もいそがない町」になったのです。
それはそれで、あのストーリーたちの運命を暗示しているようで、よかった。

今回、当初案の「これはみんな、きみの話」に戻しました。
電子書籍はよりパーソナルなメディアだから、この方がいいんじゃないかと思って。
それに「誰も~」以外からのストーリーも収録されるので。

お楽しみに。

第一弾2011/05/12 01:08

「誰もいそがない町」の電子書籍版シリーズ。

お好きな話のリクエストがあって、嬉しいなあ。

いまのところ、Bahnhofさんの「ガラスの魚」と、
さかなさんの「春風のドレス」は、
第一弾に入れる予定です。
編集者(男性)も、「ガラスの魚って、好きな話だなあ」なんて言ってくれてます。

現在、各話につける写真を検討中なのです。

第二弾以降の収録作品はまだラフ案の段階。
もし心にひっかかってる話があれば、教えてください。

ケータイサイトYUBIOからの新作も入りますよ。

シリーズ2011/05/11 12:42

「誰もいそがない町」という本は、大人の読者に大変評判がよかった。今回、それと、ケータイサイトYUBIOに書いたものを集め、ショートストーリー集として、電子書籍でシリーズ化していくことになりました。

現在、その第一弾が固まりつつあります。
もし、「誰もいそがない町」をお持ちの方がいたら、電子書籍版にはどのストーリーを入れて欲しいですか? コメントお寄せください。

写真も入れて、ipadやiphoneで読めるものです。かなり気持ちいい感じの電子書籍になりそう。ぼく自身も楽しみです。