これはみんな、きみの話42011/08/01 22:53

「誰もいそがない町」出版から、そろそろ5年が経とうとしてしていた頃。
ipad発売をきっかけに、電子書籍ブームがおきた。
「そうか、電子書籍か…」
とぼくは思った。
かつてケータイ・サイトで連載していた時のことを、思い出したのだ。紙の本に疎遠な人たちに、電子書籍はピッタリなんじゃないだろうか?
そういえば、あのケータイ・サイトが終了する時、担当プロデューサーが言っていた。
「書いていただいた話は、今後、本にしてまとめるなど、藤井さんの自由です。ウチのキャリアに断る必要はありませんよ。でも、こういうストーリーは、本よりも、読者にストレートに届くケータイ端末に向いてると思いますが」
もっともあの時は、こんにちのように電子書籍が活性化するとは予測できなかったのだが。

5年経って、ポプラ社での出版権が切れた。「誰もいそがない町」に書いた話は、再びぼくの手元に戻って来たのだ。加えて、ケータイ・サイトに書いた話もある。併せて80本ばかりのショートストーリーが揃った。

どうやら神様は、ちょうどいい時期に、ちょうどいい人との出会いを用意してくれるもののようだ。
ぼくが一年間一緒に仕事をしてきた日本文芸社の編集者M氏が、ある日、
「今度、電子書籍の担当になります」
と言ったのだから。

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