こんなにも、いそがない企画112005/11/05 01:39

「誰もいそがない町」という本(ポプラ社)の出版に至る、あまりにもいそがない物語を書きおこしている。

(続き)
「有名なカフェ・チェーンが、最近、お店でちょっと気のきいた本も売りはじめた。藤井さんが考えている本は、そういう所に向いているんじゃない?」
というのが、友人のアイデアだった。
「広報に知り合いがいる。紹介してもいいよ」
面白い考えだと思った。
ぼくは、本は書店のみで売るべしとは思わない。
世間には、めったに本屋さんに入らない人だって、けっこういるのだ。が、彼ら彼女らも、まったく本に興味がないわけではない。自分たちの生活圏内で本に出会えば、手に取ったりもする。たとえば、カフェで。

「出版社とカフェとのコラボってのは、面白いな!」
と、そういったことの大好きなぼくは、おおいに興味を持った。が、出版社が同じ興味を持つとは限らない。
おそらく、普通に本を作って普通に書店で売るのが、一番楽なんだろう。わざわざ他業種と一緒にやるのは、面倒だと思う。
そこでぼくは、恐る恐る、S社の編集者O氏に切り出してみた。
「あのぅ…、カフェ・チェーンに話をしてみるのは、どうでしょう?」
すると、それを聞いたO氏は。
(続く)