こんなにも、いそがない企画172005/11/22 02:09

「誰もいそがない町」(ポプラ社)という本の出版に至る、あまりにもいそがない物語を書きおこしてきた。

(続き)
現在、「誰もいそがない町」は発売され、書店に並んでいる。
いろいろあっただけに、感慨深い。
これまで、何度かうまくいかなくなるたびに、ぼくは
「この原稿は、出版に値しないんだろうか?」
と不安になり、原稿を読み直し、
「いや。やっぱり、いい本になると思う」
と思い直す。
・・・という作業を、何回も繰り返してきた。

以前にも書いた。
ぼくはこの本を、世間に出て少しは嫌な目にあい、挫折も知り、自分の限界も感じつつ、それでもなんとか頑張ろうと思う若い社会人に読んでもらいたい、と思って書いていた。
・・・が、なんのことはない。そうやって勇気付けられているのは、まずは自分だったわけだ。

先日、発売一週間ほどで、都心のある書店からの報告を聞いた。
そこではよく売れているという。美しい本なので、若い女性が買っていくのかと思いきや、
「いえ。30、40代のビジネスマンの方が手にとって眺め、ぱらぱらとめくり、買っていきます」
とのこと。
件のO氏は「意外ですね」と感想を述べていたが、ぼくには意外ではなかった。すごく嬉しかった。この本を書いたぼくの気持ちは、ちゃんと読者に伝わっているのだ。本にできて、よかった。