エピソード122006/02/13 00:42

「誰もいそがない町」に収められた各編についての、エピソードを書いていく。


まくらの国
・・・実は、ここに書かれているお話は、ぼくにとってはほとんどノンフィクションだ。朝起きるためのこの「おまじない」は、幼い頃、父親が教えてくれたもの。ぼくはとても寝つきの悪い子だったので、いつも布団に入ってから色んなことを考えていた。その中に、そっくりこの物語があった。
つまり、この話はほとんど小学生時代にできていたもの。作家になったぼくが付け足したのは、最後の三行だけなのだ。


ガラスの魚
・・・これも気にいっている話。このタイトルのイメージを頭の中で持て遊んでいるうちに、するすると物語がよどみなく滑り出てきた。70年代後半~80年代に、SF私小説マンガとでもいうようなジャンルで多くの名作があった。実は、ああいうイメージで書いた。


以上で、すべてのストーリーについて触れてみた。