こんなにも、いそがない企画132005/11/08 00:53

「誰もいそがない町」(ポプラ社)という本の出版に至る、あまりにもいそがない物語を書きおこしている。

(続き)
「ショートショート」と「童話」と「詩」と、なぜか「漫才」を足したようなショートストーリー集。エッセイのようでもあるし、物語のようでもある。シンプルだが、こども向けではなく、社会に出て数年経った大人にこそ読んでもらいたい。
そういう原稿が、全部で150本ばかりあった。これを本にまとめたい。

ぼくは、これまで、ことあるごとにチャレンジしてきたが、うまくいかなかった。こうして、あまりにいそがないまま、なんと13年。新しく知り合った出版社S社の編集者O氏によって、一気に出版化に向けて動き始めたのだ。
しかし、最後の最後の鍵が開かない。そこで、起死回生の一手。異例の、カフェ・チェーンへのコラボ・プレゼン!

ドラマなら、ここでどういう展開になるだろう?
その熱意によってコラボ出版が実現した!……か? いや、それではあまりに単純すぎる。いったんは断られ、後日、思わぬ逆転劇によって努力が報われる……まぁ、普通はこうだろう。

結果を言うと、このプレゼンは実らなかった。現実とは、そういうものだ。
けれどぼくは、不思議なことに、それほど悔しくはなかった。ぼくなんかのために、こんなに頑張ってくれた人がいる。それが嬉しかった。もちろん出版が頓挫して残念ではあったけど、充実感は残った。
(ここまでやって駄目なら、しょうがない)
と、ぼくは思った。
なんとか気持ちを切り替え、
(O氏には迷惑をかけた。しかし、彼となら何か他の企画でうまくやっていけそうだ)
と、前向きに他の企画を考えはじめた。
ところが、数ヶ月後……
(続く)

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