あとがき番外地32005/06/13 10:45

前回までのあらすじ
たかが「あとがき」に、あらすじもないもんだが・・・。

この本はまず、「雑学本」として楽しんでもらってもいい。

次の段階として「アジア問題」という内容を読み取ってもらっても、またよし。
現在の中国、韓国の反日気運は「21世紀の東洋一争い」と見れば理解しやすいんじゃないか、ということ。

そして、この本を書いた一番根っこのテーマはなにかというと、「もっと疑問を持とうよ」ということなんですね。
別に私は何十年も「東洋一」にこだわってきたわけじゃない。いま興味のある疑問の対象として、東洋一を選んだのだ。

あぁ! たいへん野暮なことを書いてるとは承知の上で、続けますよ。

自分で言うのもナンだが、この本に書いていることだって、読者は疑ってみてもいいと思うんですね。いえ、そりゃ、私はゴマカシているつもりはない。凄い発見をしたつもりで書いています。が、なにか私の思い違いがあるかもしれませんからね。
たとえば朝日新聞の見出し調査など、たいへん興味ある結果だったが、一紙ではどうも納得いかないという人は朝毎読三紙を検索するのもいいだろう。ま、そんなのは読者がやることではなく、学者さんの領域でしょうが。テーマがなくて困っている学生さんには、うってつけの題材だと思いますよ。

「東洋一」に限らず、いろんなもの(特に、堂々としているもの)は、まず疑ってかかった方がいい。すると、いろいろ面白い一面が見えてきますよ。

あとがき番外地22005/05/29 22:45

前回書きかけた「もう一つの別のテーマ」に行くその前に、「アジア問題」という方についてもう少し詳しく触れておこう。
ただ書いたんじゃ面白くない。拙著「愛と青春のサンバイマン」を読んだ方なら記憶にあるかもしれないが、「天声人語を使ったパブリシティ」というネタがある。それを使って、あえて多少ダサく書いてみよう。


   中国の反日デモのニ
   ュースで、投石をした
   民衆が興奮気味に
   「中国はアジアで一
番だ」と叫んでいた。もち
ろん、日本語字幕だが。
もしも戦前にテレビがあっ
たら、おそらく「中国は東
洋一だ」という字幕になっ
ていただろう。▼「東洋一
の本」(藤井青銅著)によ
ると、中国には「東洋」と
いう概念がない。かの国
で東洋というと、日本人に
とっては奇妙だが、日本を
指す。▼「東洋一」とは、あ
る年代以上にとっては懐か
しい響きの言葉だ。かつて
は盛んに使われたが、そう
いえば最近あまり見かけな
い。この本によると「東洋一
の…」という表現は、戦前に
最も多いという。▼「東洋一
のGDP連動仮説」というも
のも載っている。経済に自
信を持ちはじめ、いま自国
は世界にうって出ていると
自覚し高揚した気分の国家
(とその国民)は東洋一を
名乗りたくなる、という仮
説は興味深い。▼現在の
中国がそうであり、韓国も
そうではないか。するとど
うしても、目の前を走ってい
る隣国を否定したくなる。
両国の近年の反日には、こ
うした気分も影響している
のだろう。これは、戦前の
日本が通って来た道に似て
いる。▼高揚した「東洋一」
気分を先に経験したことの
ある先輩国家ならば、こう
いう時に冷静な対応がとれ
るのではないか。


教訓色が強く、ユーモアもない。私の好みの文章ではないが、世の中にはこういうのが好きな人もいる。
天声人語っぽいだろうか?
普通に書けばいいところ、わざわざこんな、求められてもいない部分に凝るのが、私の悪い癖なのだが・・・。
でも、まあ、こういうことなんですね。

・・・で、前回予告した別のテーマについてだが、さらに次回に回そう。

あとがき番外地2005/05/21 16:02

 どうも、ブログというものの位置付けがよくわからない。こんなページを作っておいて、ナンだが・・・。自分が、律儀に日記を書くとも思えない。言いたいことがあればHPでいいではないか、という気もする。  が、まあ、流行りなので、きっとブログの方がいいこともあるのだろう。そこで今回、「東洋一の本」に書けなかった、あとがきの番外編を書いてみよう。ここはβ版なので、見ている人も少ないだろうから、気楽にブログの練習といこう。私の文章もβ版レベル、というわけだ。読んでくれる方には申し訳ない。

 さて、「東洋一の本」を読んで「雑学である」とか、「トリビア本の一種ね」いう感想を持つ方も多いだろう。そう読む人は、まぁそれで構わない。なんにせよ、面白く読んでいただくのが一番だ。

 次の段階として、「これは、アジア問題の本だ」とか、「近代日本人論だ」とか、「近代民衆思想史の(とるに足らない、抜け落ちた)一部だ」と思う方もいるだろう。大変ありがたい感想で、事実、今回はそういう部分も意識して書いている。「そんなテーマなら、もっと真面目に書くべきだ」と言う方もいるんだろうが、真面目な(つまり、より精度は増すが、その分読む気も失せる)本は、学者さんに任せたい。私はエンターテインメントの人間なので、作品はまずなによりも楽しくなければと思っている。ゆえにどうしても、こういうスタイルになるんですね。悪しからず。

 だが実は、私にとってこれは、もう一つ別のテーマを持った本なのだ。  

・・・ま、今回はここまで。続きは、いつになるやら。

掲示板の代わりに2005/05/18 01:59

ここを使おうと思います。

現在「東洋一の本」(小学館)というのを出したばかりなので、 その感想なども、どうぞ。